【3/15】『いかに発達を支援していくのか?〜人間の発達を促すための方法論〜』を開催しました

2022.03.02 NEWS

人の発達を支援するうえで、具体的な一歩をサポートするにはどうすればいいのでしょうか?

発達段階測定を専門とする機関Lectica, Inc.(米国マサチューセッツ)の最新の研究の状況を踏まえ、人間の発達を促すための具体的な方法論について、鈴木規夫氏・加藤洋平氏のお二人にオンライン対談を通じて情報と論点をご提供頂きます。

また加藤氏による事後音声ファイルや、専用SNSでの参加者同士の学びのシェアができる設計になっています。成人発達理論の学びをなさっている方、また対人支援に理論的背景をもって携わりたい方など、学びや気づきを対人支援の質の向上に活かして頂けるセミナーです。

 

【鈴木規夫さんからのご案内】
いわゆる「成人発達理論」が広く紹介される中で、関係者(対人支援者)の間で、最も大きな課題となっているのが、「いかに発達を支援していくのか?」というものです。

これまでに紹介された諸々の理論は、人間がその生涯を通して質的な発達をとげていく存在であることを示してはくれましたが、それでは具体的にどのような訓練や実践に取り組むことで、そうしたプロセスが促進されるのかということに関しては、ほとんど言及してくれていません。

人間の発達のプロセスを段階的なモデルでとらえることにより、我々が生涯を通して歩むことになる諸々の発達段階を大まかに捉えることは可能にはなりましたが、日々の生活の中で具体的にどのような訓練や実践に取り組めばいいのかということに関しては、ほとんど情報が無いのです。

例えば、運動や武道の世界であれば、指導者は我々に対していきなり「達人になりなさい」とは言わないはずです。むしろ、今どのような状態にあるのかを見極めて、これから歩むことになる長い道を歩みだすための「小さな一歩」を示してくれるはずです。しかも、そのようにして優れた指導者が示してくれる「一歩」は、「それであればわたしにもできるかもしれない」と安心と期待をもって取り組める実践です。そして、このようにして示された実践を試行錯誤を繰り返しながら反復することにより、徐々に基礎を固め、また新しい実践に着手するための準備を整えていくのです。

人間の認知構造の質的な発達も、基本的には、こうした小さな実践の積み重ねをとおして展開していくものということができます。即ち、発達理論にもとづいた対人支援者には、正に優れた運動や武道の指導者がするように、クライアントの現在状況を(発達段階測定等を活用しながら)的確に見極めて、そこから一歩を踏み出すための小さな実践を呈示して、それに実際に取組むのを支援する役割が課されるのです。

そこで求められるのは、クライアントに対して「……段階」に向けて成長・発達するように鼓舞することではなく――そうした応援には何の効果も無い――クライアントが発達という長い旅を歩んでいく中で今日、あるいは、今週取組むことができる具体的な実践を見極めて、それを示す能力なのです。

このように、今日の「成人発達理論」の関係者の主な興味・関心は大きな変化を遂げつつあります。人間の生涯発達に関する大きな物語を語ることではなく、人間の「成長」や「発達」といわれる現象においてミクロ・レベルでいかなるダイナミクスが働いているのかを理解して、目の前にいるクライアントが今必要としている実践を呈示する方法を開発することに焦点が移ろうとしているのです。

こうした発想の転換を牽引しているのが、合衆国のマサチューセッツ州に本拠を置く発達段階測定を専門とする機関Lectica, Inc.です。

この機関は、Harvard Graduate School of Educationの発達心理学者Kurt Fischerとその共同研究者達により設立された組織で、現在は、発達理論を基盤とした測定やコンサルティングを世界的に提供しています。

 

今回の対談では、このLectica, Inc.と関係の深い二人の講師(加藤 洋平氏・鈴木 規夫氏)よりその最新の研究・実践の一端を紹介しながら、日本の関係者の方々に実践上のヒントを提供することを目的とします。

発達理論に触れ、今後、日々のクライアントに対する支援活動の中で、あるいは、自己の探求活動の中で、その洞察を効果的に活かしていきたいと思われる方々には是非御参加いただければと思います。

セミナーの詳細

日程:3/15(火)

時間帯:18:00-20:00

価格:30,000円

会場:オンライン(申込みされた方へ後日zoomURLをお送りします)

特典: ①加藤洋平さんからの音声ファイル
②加藤洋平さんによる身心の健康促進と護身術に関するマル秘動画
※当日欠席の方も後日アーカイブ視聴をご案内いたします。

申込方法:こちらからお申込ください。

 

登壇者紹介

鈴木 規夫​

1990年代前半に合衆国の大学に在籍中にケン・ウィルバーの著書に出逢い大きな衝撃を受け、その後California Institute of Integral Studiesで「人間(個人・組織・社会)の成長・発達の可能性を解き明かすための統合理論」としてインテグラル理論に関する研究に取り組んだ。帰国後は、執筆やワークショップや講演を通してインテグラル理論の普及に従事する傍ら、主に企業組織の人材育成と組織開発の領域においてプログラムの設計と統括、及び、コーチ、コンサルタント、インストラクターとして多様な階層や立場のプロフェッショナルの支援活動に従事している。また、成人発達理論に関しては、発達心理学者のSusanne Cook-Greuter等に師事し発達段階測定と発達志向型支援に関する訓練を積むと共にこれまで約20年にわたり実務領域におけるこの理論の応用と実践に取り組んでいる。

翻訳書:
ケン・ウィルバー著『INTEGRAL LIFE PRACTICE』(日本能率協会マネジメント・センター)
著書:
『インテグラル理論入門』(I & II)(共著)(春秋社)
『インテグラル・シンキング』(コスモス・ライブラリー)
『入門 インテグラル理論』(共著)(日本能率協会マネジメント・センタ ー)
『人が成長するとは、どういうことか』(日本能率協会マネジメン ト・センター)

 

加藤 洋平

知性発達学者。発達科学の最新の方法論によって、企業経営者、次世代リーダーの人材育成を支援する。一橋大学商学部経営学科卒業後、デロイト・トーマツにて国際税務コンサルティングの仕事に従事。退職後、米国ジョン・エフ・ケネディ大学にて発達心理学とインテグラル理論に関する修士号(MA.Psychology)、および発達測定の資格を取得。オランダのフローニンゲン大学にてタレントディベロップメントに関する修士号(MSc.Psychology)、および実証的教育学に関する修士号を取得(MSc.Evidence-Based Education)。

著書:
『インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル』(日本能率協会マネジメントセンター)
『リーダーシップに出会う瞬間:成人発達理論による自己成長のプロセス』(日本能率協会マネジメントセンター)
『成人発達理論による能力の成長:ダイナミックスキル理論の実践的活用法』(日本能率協会マネジメントセンター)
『なぜ部下と上手くいかないのか:「自他変革」の発達心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)

 

嶋内 秀之​

株式会社アントレプレナーファクトリー 代表取締役​


1996年立命館大学経営学部卒業、オリックスに入社。2002年より7年間オリックス・キャピタル大阪支店にてベンチャー投資業務に従事。
2004年神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA)。
2009年より9年間立命館大学経営学部・同大学院の講師を務める。 2009年より アントレプレナーファクトリーを創業し、ベンチャー企業向けオーダー型教育に取り組む。2012年には本社に映像スタジオを併設し動画ラーニング事業を開始。2015年には起業tvを本格稼働。
2018年よりスタートアップサイエンスの動画サービスの企画・運営を推進する。2011年からサポートし、2013年から監査役を務めるクックビズが2017年11月に東証マザーズに上場。
地方から成長を目指す企業に対して、知識の提供を通じて成功を加速させることを自らのミッションとする。

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