プロセスワーク×成人発達理論講座

プロセスワーク×成人発達理論講座

対立を機会に変えるリーダーシップ

松村 憲氏よりメッセージ

「対立の炎にとどまる」プロセスワークの知恵は今こそ現代社会に必要とされていると実感しています。世界・社会・組織・コミュニティレベルで多くの人が問題を認識している一方、画一的な解決法が見出せないのが現代の特徴に見えます。

 プロセスワークの知恵は、対立、分断、問題にとどまり切ることで未知で新しい解決が現れる、生み出されることを体現してきました。

 組織・ビジネス文脈においても部門を横断する、領域を超える、多様性を実現する、イノベーティブなものを生み出すために異なるものを繋ぐ、対立を力にできる人材の必要性を聞くことが多くなりました。

 こうした避けたくなるような対立や分断の瞬間を、今ここで新たな学びが生まれようとする瞬間と捉え直すことがプロセスワークのパラダイムです。対立を体験的に価値に変えていくような実践を提供できるのがプロセスワークの強みであり、この視点と実践があれば世の中の問題の見方も変わってくると考えています。

 今回は成人発達論の第一人者である鈴木規夫さんとのコラボレーションから生まれる企画となっています。プロセスワークの深層アプローチと成人発達理論の全方位的かつアカデミックな裏付けの掛け算に私自身もワクワクしております。

鈴木 規夫氏よりメッセージ

このたび、松村 憲さんと一緒にプロセスワークと成人発達理論を融合した対人支援者のためのマスターコースを開催させていただくことになりました。

 ご存知のように、松村さんは今日プロセスワークの領域における代表的な実践者のひとりとしてめざましい活躍をされています。この領域の重要文献の翻訳出版に取り組まれているだけでなく、また、優れた指導者として後進の育成にも献身的に従事されています。まさに日本を代表する実践者のひとりということができます。

 私はこの30年ほどにわたり発達理論に関心を寄せていますが、この領域では、人間の心理的な成長が高度に進んだ段階のことを「後慣習的段階」と形容しています。この発達段階は、ひとことで言えば、自己の意識や思考や行動を支えている前提を意識化・対象化して、その呪縛から自由を獲得するための探求を自律的に取り組めるようになる段階ということができます。また、そうした探求は、自己の視点を相対化することを通して、意識の中に容れることができる視点の数を増やしていくプロセスであるともいえます

 個人的には、こうした発達段階に向けた心理的成長を促していくためのトレーニングとして、プロセス・ワークの中で紹介される実践法は非常に有効であると考えています。プロセス・ワークは、そうした意識の拡張と変容を促していくために非常に具体的な方法を提供してくれるのです。

 近年、国内外を問わず、我々を取り巻く課題や問題は急速にその複雑性を高めていますが、そうした文脈の中で対人支援者の責任は大きく変化しています。即ち、クライアントの個人としての能力を高めるための支援をするだけでなく、そのクライアントが自らをとりまく関係者と効果的に意思疎通をして、真に良質なコミュニティを構築・運営するのを支援することの比重が高まっているのです。発達心理学者のTheo Dawson博士が指摘するように、今日の課題や問題は、たとえどれほど優秀であるとしてもひとりの個人が独力で解けるものではなくなってきているのです。

 ここ10年ほどの間に日本でも発達理論に関する興味・関心が高まりつつありますが、時として個人の発達段階を「上げる」ことが自己目的化してしまい、人間の成長・発達というものが、実際には非常に地道な実践に継続的に取り組むことを通して達成されるものであることが看過されてしまいがちです。また、人間の成長・発達とは、個人としての営みではなく、それを支える多様な環境的な要因を勘案した共同体としての営みとして捉えられるべきものですが、そのことも無視されがちです。

 こうした「発達心理学」の盲点を補完するという意味において、プロセスワークとの共同作業は非常に大きな意義をもつことになります。

 結局のところ、人間の成長・発達とは、小さな雫が長いあいだ絶え間無く落ちつづけることで最終的に岩に穴を穿つように、小さな実践が続けられることにより結実するものです。そうした意味では、我々が成長・発達について探求する際には、具体的な実践について検討をし、それに実際に取り組むが必須となります。とりわけ、その取り組みが「後慣習的段階」を視野に収めたものである場合には、対人支援者は実践を戦略的に設計し、また、修正することができる必要があります。

 いずれにしても、このマスターコースは、世界的にもそれほど前例がない真に画期的なトレーニングになると信じています。今まさに我々の目の前で展開している危機の時代の中で真に効果的にクライアントを支援するための能力を飛躍させていきたいと考える対人支援者の方々に是非ご参加いただければと思います。

INSTRUCTOR

講師の紹介

講師

松村 憲

株式会社BLUE JIGEN CEO バランスト・グロース・コンサルティング株式会社取締役

国際コーチング連盟認定PCC、臨床心理士・公認心理師 大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了(臨床心理学研究分野)。大学院ではユング派分析家に師事し深層心理学を深め、身体性や集団まで広く応用するプロセス指向心理学(プロセスワーク)を専門とする。現在はプロセスワークを活用した組織開発コンサルティングやエグゼクティブコーチングを行う。著書に『日本一わかりやすいマインドフルネス瞑想』、訳書にアーノルド・ミンデル著『対立の炎にとどまる――自他のあらゆる側面と向き合い、未来を共に変えるエルダーシップ』『対立を歓迎するリーダーシップ』『プロセスマインド』などがある。

講師

鈴木 規夫 Ph.D.

1990年代前半に合衆国の大学に在籍中にケン・ウィルバーの著書に出逢い大きな衝撃を受け、その後California Institute of Integral Studiesで「人間(個人・組織・社会)の成長・発達の可能性を解き明かすための統合理論」としてインテグラル理論に関する研究に取り組んだ。帰国後は、執筆やワークショップや講演を通してインテグラル理論の普及に従事する傍ら、主に企業組織の人材育成と組織開発の領域においてプログラムの設計と統括、及び、コーチ、コンサルタント、インストラクターとして多様な階層や立場のプロフェッショナルの支援活動に従事している。また、成人発達理論に関しては、発達心理学者のSusanne Cook-Greuter等に師事し発達段階測定と発達志向型支援に関する訓練を積むと共にこれまで約20年にわたり実務領域におけるこの理論の応用と実践に取り組んでいる。

一般社団法人Integral Vision & Practice代表理事( https://integral.or.jp ) インテグラル・ジャパン代表( https://integraljapan.net )

翻訳書:
ケン・ウィルバー著『INTEGRAL LIFE PRACTICE』(日本能率協会マネジメント・センター)
著書:
『インテグラル理論入門』(I & II)(共著)(春秋社)
『インテグラル・シンキング』(コスモス・ライブラリー)
『入門 インテグラル理論』(共著)(日本能率協会マネジメント・センター)
『人が成長するとは、どういうことか』(日本能率協会マネジメント・センター)

PROGRM

プログラム日程

・11/8   (水)19:00~21:00 「プロセスワークとは?インテグラル理論と成人発達理論の視座から」

・11/15 (水)19:00~21:00 「組織を見る視点(アウェアネス/システムとゴースト)」

・11/21 (火)19:00~21:00 「個人を見る視点(深層心理学/発達理論ドリームボディ/身体症状)」

・11/29 (水)19:00~21:00 「変化の起点(対立/エッジ/シグナル)」

・12/6   (水)19:00~21:00 「パワーとリーダーシップ(ランクの自覚)」

・12/13 (水)19:00~21:00 「関係性のファシリテーション」

・11/8 水 「プロセスワークとは?インテグララル理論と成人発達理論の視座から」

・11/15 水 「組織を見る視点(アウェアネス/システムとゴースト)」

・11/21 火 「個人を見る視点(深層心理学/発達理論ドリームボディ/身体症状)」

・11/29 水 「変化の起点(対立/エッジ/シグナル)」

・12/6 水 「パワーとリーダーシップ(ランクの自覚)」

・12/13 水 「関係性のファシリテーション」


※開催時間は全て19:00-21:00です。

CONTENTS

コンテンツ一覧

「プロセスワーク」

01

プロセスワークとは(3本)

・概要①
・プロセスワークとは
・概要②

02

組織を見る視点(13本)

・組織開発への応用①
・組織開発への応用②
・アウェアネス(発達・成長とコンテインする力)①
・アウェアネス(発達・成長とコンテインする力)②
・システムと役割
・個人のリーダーシップ①
・個人のリーダーシップ②
・関係性
・プロセスワークの変容モデル
・主流派と非主流派
・4象限・6象限モデルと組織
・二つの注意力(第一と第二)
・組織のシステムとゴースト

03

変化の起点(8本)

・対立を歓迎するとは?
・エッジ
・エッジとシグナル
・対立するものの見立て
・フェーズ理論
・対立の炎(回避・混沌パターン)
・対立の炎にとどまる(アウェアネス)
・ファシリテーターのレッスン 薪を燃やす

04

組織を見る視点(13本)

・ランク概説
・ランクの自覚・無自覚の事例 自分の影響力を知る
・自身のランク分析
・ランクとシグナル
・ランクの多様性(文脈)
・ランクを自覚的に活用する

05

関係性のファシリテーション(5本)

・個人の心理

・コミュニケーションのレベル

・入門的なワーク

・私たち・私たち以外

・個人・関係性・システムの役割の分離

「深層心理学」

01

心理学の系譜(3本)

・概要
・心理学の系譜と深層心理学
・力動精神医学の成立

02

フロイトとユング(16本)

・フロイト
・フロイトの理論の変遷と人生
・自我とエス
・防衛機制と抑圧①
・防衛機制と抑圧②
・フロイトの愛弟子
・その後の世代①
・その後の世代②
・その後の世代③
・その後の世代④
・ユング〜フロイトとの決別〜
・ユング
・意識と無意識
・コンプレックス
・リビドーと心の治癒論
・ユングのタイプ論

03

ユングの元型心理学(10本)

・元型
・個性化のプロセス動画タイトル
・集合的無意識と類心的無意識
・ペルソナ
・影・シャドー
・アニマの四段階/エロス
・アニムスの発達段階
・英雄元型
・元型的心理学
・錬金術

04

日本におけるユング心理学の発展(6本)

・日本の深層心理学的ルーツ
・河合隼雄
・箱庭療法
・日本の神話と日本的自我①
・日本の神話と日本的自我②
・仏教と心理学

05

人間性心理学への展開 (8本)

・ロジャース
・パールズ
・マズロー
・エリクソン
・認知行動療法
・マインドフルネス
・マルティン・ブーバー
・グロフ

06

ウイルバーとインテグララル理論(4本)

・ケン・ウイルバーと意識のスペクトル論
・成長の発達段階 Growing Up
・四象限
・意識の覚醒 Waking Up

07

人間性心理学への展開 (8本)

・アーノルド・ミンデルとドリームボディ
・三つの現実レベルと注意力
・エッジ
・ワールドワークと「場の心理学」
・まとめ

組織・関係性に応用する

この講座は、プロセスワークの理論を体験する講座でありながら、

成人発達理論やインテグラル理論と照らし合わせての知的理解が伴う内容を予定しています。

 

複雑な問題が次々と生まれる現代の環境下で、組織内での難題に挑むリーダーや、そのリーダーを支える対人支援者は、何を学び解決に進んでいけば良いのでしょうか。

プロセスワークは、一般的な心理学のように個人についてだけではなく、

人間関係や集団・組織・社会へ深層心理学のフレームを応用していくものです。


そして、成人発達理論は、“発達段階”の活用だけでなく、

今まで人材開発においてあまり注目されてこなかった“認知構造”に精緻な光を当てることができる領域です。


プロセスワークを、成人発達理論の視点も加えて学ぶことで、

組織・関係性の中で起きうる対立を活かすこと、個人や組織を見る視点を養うこと、今まで無意識的に使っていたような力を、

どのような効果があるか理解した上で使っていくことができ、

組織のマネジメントや人間関係の問題を解決することに役立てることができます。


現代の複雑な問題に立ち向かうために必須の力を身につけることができる講座です。

このような方におすすめです

case/01

実際に心理学や成人発達理論を

対人支援に活用されている方

case/02

普段から学習を継続している

中級〜上級者層

case/03

組織をマネジメントする必要のある

経営者・マネージャー

PRICE

料金

講座タイトル

全6回のオンラインセッションと

88本の動画コンテンツ

¥250,000/名

※動画コンテンツ視聴期間は3年です

※税抜価格です

コンテンツ内容

・全6回オンラインセッション

・松村憲氏x鈴木規夫氏対談動画全6本

・動画コンテンツ全88本

・修了証

注意事項

①支払い方法はクレジット決済のみです。

②ご契約の際は利用規約を必ずご確認ください。

Q&A

よくある質問

Q. 動画の視聴環境は何ですか?

A. 弊社が持つLMS(学習管理システム)です。PC・スマホ・タブレット等マルチデバイスで視聴可能です。

Q. 1つのIDで複数名使うことは可能ですか?

A. ID の使い回し、第三者への譲渡・貸与は禁止です。チームや社内で利用する場合は1人1IDの付与となります。

Q. 動画視聴はいつからできますか?

A. お申込み決済後、翌営業日に動画視聴のご案内をお送りします。

Q. 支払い方式は何ですか?

A. クレジットカード決済となります。領収書発行も可能です。また、請求書払いをご希望の方は、別途事務局(miyaji.se@subenfac.com)までご連絡ください。